活動報告

SDGsから農業を考える交流促進事業
つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1

開催日時:2021 年 10 月
#農業 #天栄米 #再生水田 #SDGs

「美味しすぎて言葉が出ない…」炊き立てご飯の産地と首都圏在住者をつなぐ交流
そのお米を作りだしたのは、原発事故の耕作放棄地だった!?福島県天栄村で水田を再生させた取り組みとは

つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1
肌に触れる風の涼しさが秋を感じさせる10月中旬、福島県の天栄村で「SDGsから農業を考える交流促進事業 つながろう農業のチカラ」が開催され、県内外から福島の農業や食に関心を持つおよそ15人が参加しました。



この事業は、”SDGs”の観点から「福島県の農業について考え、県内外の交流と地域産業の振興を目指す」というテーマで行われました。



郡山駅に集まった参加者は、さっそく天栄村へ向かいます。道中のバスでは、2011年の東日本大震災と原発事故後の天栄村でのコメ作りを追ったドキュメンタリー映画『天に栄える村』が上映され、再生水田について学びました。

天栄村に到着!「再生水田」とは…?

つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1
天栄村に到着すると最初に案内されたのは、山中の平面を利用した場所にある水田。周囲は小川と木々で囲まれており、そよそよと流れる水の音と鳥のさえずりが静かな山に響きます。



のどかな景色が広がるこの場所は、2011年の東日本大震災と原発事故によって泣く泣く手放された水田を再び耕して、米作りができるまでに再生した「再生水田」だといいます。



一度は手放されたこの水田の再生は、福島第一原発からおよそ70㎞離れた天栄村まで飛ばされてきた放射線を除去するところから始まりました。村の農家が集まり、放射線量を減らすため地道な試行錯誤を重ねることで、ようやく安全で美味しい天栄米を作ることができるようになったといいます。



現在、水田を管理する有志の農家グループ「天栄村ファームコンソーシアム」の吉成邦市さんが少し上段からこの水田を眺め、「ここから見る景色がね、一番好きなんですよ」と微笑む姿が印象的でした。

作り手が何よりもこの自然に溢れた土地を愛し、守っていることが伝わってきます。この愛情があるからこそ耕作放棄地の復活ができたのだと感じました。

土釜で炊いた白米って、食べたことありますか??

つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1

農家をしている吉成さんも、普段は土釜ではなかなか炊かないとのこと。もくもくと上がる煙が白米への期待を煽ります!

山を降りた一行はビニールハウスへ移動し、土釜で炊いた天栄米をいただきます。

柔らかいミニトマト!?

つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1

作り手の顔や産地が見えるこの体験が「また来たい!」と思うファンを生み出しているようです!

お米が炊き上がるのを待っている間、ビニールハウスで育てているミニトマトを自由に食べても良いとのことでその場でいただくことに…。

すると、皮が柔らかくトマトとは思えないような甘くてコクのある味がしました。

参加者全員が「なんですか!このトマト!」と思わず吉成さんを質問責めするほどで、皆さん食べる手が止まりません。

「ぷよ姫」という品種のミニトマトだそうですが、天栄村では愛情を込めて「天姫」と呼んで育てているそうで、皮が通常のトマトよりも柔らかいためハウスの中でしか栽培できず、流通も難しいので地元の産直でしか手に入らないレアな品種とのこと。

産地まで足を運ばないと出会えない食材もあるのかと、新たな発見でした!
つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1

さすがは「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で10回も金賞を受賞している天栄米!

そして、待ち望んだ土釜のお米が炊き上がりました!ふっくらとした粒のお米が冷えた体に染み渡り、皆、箸が止まりません! もう美味しすぎて全員黙食に…。

自然の澄んだ空気の中で味わう食事は無駄なものがなく、食材の味を噛み締めるたび、ほんわかと幸せな気持ちになりました。
つながろう農業のチカラ 第1回 シンポジウム vol.1

「おいしい!」「おいしい!」と嬉しそうな声があちらこちらから。

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